最近、風の強い日が続いていますね。
特に外出時は、その影響をひしひしと感じます。
コンタクトレンズを装着しているのでホコリが入ると、目は激しい痛みに襲われ涙がポロポロ。紫外線対策に欠かせない日傘を差すのも一苦労。腕に力を入れていないと飛ばされそうになります。帽子は気を抜けば一瞬で吹き飛ばされてしまうので、かぶるのを諦めたりします。こうした強風で、日常のちょっとした外出さえも慎重になってしまいます。
そんな中、先週末にキャンプへ出かけたのですが、やはりそこでも風に悩まされました。テントは常にバタバタと揺れ、楽しみにしていた焚き火は、火の粉が飛ぶ危険を考えて断念。代わりにコンロでお湯を沸かし、手早くカップ麺を食べて、早々に片付けることにしました。自然を満喫するつもりが、風との戦いに終始した一日に。天気はよかったのですけどね…


空撮を悩ませる5月の風
5月といえば新緑が美しく、穏やかな気候を想像しがちですが、実際には気象の変わり目でもあります。この時期には「爆弾低気圧」と呼ばれる急速に発達する低気圧が発生しやすく、時には「メイストーム」とも呼ばれる春の嵐に見舞われることがあります。通常の風は気圧の差による空気の移動であり、比較的ゆるやかなものですが、メイストームは寒気と暖気がぶつかることで一気に発達し、強風や突風、雷雨、さらには雹(ひょう)を伴うこともある非常に激しい気象現象です。
風があまり吹かない印象のあるここ熊本でも、近頃は連日のように強風を感じています。季節の変わり目の不安定な天候の影響が、確実に現れているのかもしれません。
私たち九州空撮隊が日々行っているドローンを使った空撮も、こうした天候の影響を大きく受けます。特に風が強い日は要注意です。ドローンは構造上とても軽量なため、強風にあおられると飛行の安定性が著しく損なわれてしまいます。操縦が難しくなるだけでなく、場合によっては制御不能に陥り、墜落や機体の破損、さらに周囲への被害といったリスクが高まります。そのため、強風時には安全を最優先に考え、飛行を中止する判断を下すことも珍しくなく、こうした予測不能な状況とも常に向き合うことになります。だからこそ、気象への理解と柔軟な対応力がますます求められていると感じています。
風の強さによって大きく左右されるドローンの飛行
たとえば、風速が0〜5m/s程度の無風からやや風がある程度の条件であれば、基本的に問題なく飛行が可能です。空中での安定性も十分に保たれ、比較的安心して撮影や作業が行える範囲です。
しかし、風速が5〜8m/sに達してくると状況が変わってきます。強めの風が吹いている状態になるため、機体が少しずつ風に流されたり、細かい操作に影響が出たりします。このレベルでは、常に風向きや周囲の環境に注意を払いながら飛行させる必要があります。
そして風速が10m/s以上になると、もはや非常に強い風とされ、安全の観点から飛行は原則禁止とされます。機体によっては高性能で、10m/s程度まで耐えられる仕様のものも存在しますが、それでも無理に飛ばすことで操縦不能や墜落といったリスクが一気に高まります。
実際、国土交通省が示している基準では、風速5m/s以上での飛行は原則として禁止されています。つまり、ドローンが飛ばせる風の条件は意外とシビアであり、撮影計画を立てる際にも常に風速の確認が欠かせません。
また、風だけではなく、雨や雪が降っているときや雷の恐れがある場合も飛行は見送る必要があります。水分が機体内部に侵入すると故障の原因になりますし、雷などの突発的な自然現象はドローンの安全な飛行にとって致命的です。
こうした気象条件による制限は、安全を守るためには当然の判断なのですが、スケジュールや撮影のタイミングに影響することも多く、毎回頭を悩ませる要因でもあります。自然の力には逆らえないとはいえ、やはり思い通りにいかないもどかしさを感じる場面も少なくありませんね。
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九州空撮隊は、九州の空をフィールドに、
ドローンを使用した空撮専門のクリエイティブ集団です。
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撮影・編集を担当するので、
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