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教則でお勉強 その18「運航上のリスク管理③」

ドローンの素人「ハヤシ」は
これって何よ?って思ってることを
少しずつクリアにしていきたいと
常々思っています。

 

無人航空機の機体には
いろいろな種類があり、
それぞれの運航の特徴に合わせた
リスク軽減策を踏まえ、
運航計画の立案をしなければなりません。

飛行機

滑走による離着陸を行うため、回転翼航空機よりも広い離着陸エリアが必要。追い風での離着陸は失速のおそれがあるため、向かい風で行うための風向の予測や適した滑走路の確保が必要となります。また回転翼航空機と比べ飛行中の最小旋回半径も大きくなるのも特徴で、より広い範囲の飛行エリアが必要です。回転翼航空機と違いホバリング(空中停止)ができないので上空待機は旋回飛行を行ったり、着陸は失速しない程度に速度を下げて行うため、高度な操作が必要となります。また、安全対策として複数人での確認を行う運航者の体制も重要となります。

回転翼航空機(ヘリコプター)

回転翼航空機(ヘリコプター)は構造上、安全のためのに付けるプロペラガードがないのが一般的であるため、広めの離着陸エリアをが必要です。離着陸において、機体と操縦者及び補助者の必要隔離距離を十分に確保するため取扱説明書で確認しなければなりません。
機体高度がメインローターの半径以下になると、地面効果の影響を受けやすいため、推力変化やホバリング時の安定・挙動に注意が必要です。垂直上昇を避け、前進しながら上昇させる方が必要パワーの削減になります。降下時も同様に、前進しながら降下することがボルテックス・リング・ステートの予防に有効です。また、オートローテーション機構を装備していれば、動力が停止しても軟着陸が可能になりますが、必要な操作や飛行高度範囲及び速度範囲があり注意が必要です。

回転翼航空機(マルチローター)

回転翼航空機(マルチローター)は機体周辺に備えた複数のローターを回転させることにより揚力を得て垂直上昇し、フライトコントロールシステムにより安定した飛行を行うことができます。
離着陸地点では。操縦者及び補助者との距離を3m以上保ち、また周囲の物件からは30m以上離すことがきる場所の確保を行い、できない場合は補助者を配置するなどの安全対策を講じます。離陸時は速やかに一定高度まで上昇させるなどして地面効果範囲内の飛行時間を短縮することで機体を安定させます。飛行時には事前に緊急着陸地点の安全確保方法の検討、自動帰還時の高度を障害物等が回避できる安全な高さに設定、飛行経路において人や物件との必要な安全確保を行います。

大型機(最大離陸重量25kg以上)

最大離陸重量が25kg以上の大型機は、事故が発生した場合の影響が大きいため、操縦者の運航への習熟度及び安全運航意識の高さが要求されます。機体の慣性力が大きいため、増速・原則、上昇・降下などに要する時間が長くなるので障害物回避には特に注意しなければなりません。事前に飛行速度に応じた障害物回避ための時間や距離を把握し、十分に考慮した経路及び飛行速度を設定する必要があります。緊急着陸地点は小型機よりも広い範囲が必要です。安全のためにも第三者の進入が少なく広く使える河川敷や農地などを選定します。また、一般に小型機よりも騒音が大きくなるため、離着陸地点及び飛行経路近隣エリアへの事前説明、調整など、騒音問題への対応が必要です。

 

 

 

通常飛行より難易度が高い夜間飛行や目視外飛行。
それぞれの飛行方法に応じた
リスクの軽減策をふまえた運航計画を行うことは、
安全な運航のために不可欠です。

夜間飛行

夜間飛行は、機体の姿勢及び方向の視認、周囲の安全確認が日中の飛行と比べて困難です。操縦者は夜間飛行の訓練を終了したものに限定し、事前に第三者の立入りのない安全な場所での訓練を実施します。目視外飛行はせず、機体の向きを視認できる灯火等が装備された機体を使用、灯火が容易に認識できる範囲に限定する飛行を行います。また、飛行高度と同じ半径内に第三者が存在しない状況でのみで飛行します。第三者が出現する可能性が高い地点を特定し、補助者を配置するなどの対応を検討します。操縦者と補助者が常時連絡を取れる機器を使用し連絡方法の有効性の確認をします。補助者については、機体特性を十分理解させ飛行経路全体を見渡せる位置に配置、無人航空機の飛行状況及び周辺の気象状況の変化等を常に監視し、操縦者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うようにします。安全確保のため、離着陸地点、回避すべき障害物、緊急着陸地点には、照明を設置し視認できるようにします。

目視外飛行

目視外飛行の運航は、機体の状況や障害物等の周囲の状況を直接肉眼で確認することができないため、飛行経路全体を把握し安全が確認できる双眼鏡等を有する補助者の配置を推奨します。機体は以下の機能(①~③)を装備したものを使用します。補助者を配置しない場合は、無人航空機に求められる要件(④~⑨)がさらに追加されるので注意が必要です。

①自動システムを装備し、機体に設置したカメラ等により
機体の外の様子が監視できる装備
②地上において、無人航空機の位置及び異常の有無を把握できる
(不具合発生時に不時着した場合を含む)装備
③不具合発生時にフェールセーフ機能が正常に作動する装備
●電波断絶の場合に、離陸地点まで自動的に戻る機能または
電波が復帰するまでの間、空中で位置を継続的に維持する機能

●GNSSの電波に異常がみられる場合に、その機能が復帰するまでの間、
空中で位置を継続的に維持する機能、安全な自動着陸を可能とする機能

●電池の電圧、容量又は温度等に異常が発生した場合に、
発煙及び発火を防止する機能並びに離陸地点まで自動的に戻る機能
又は安全な自動着陸を可能とする機能

〈補助者を配置しない場合に追加される要件〉
④航空機からの視認をできる限り容易にするため、
灯火を装備するか飛行時に機体を認識しやすい塗色にすること。
⑤地上において、機体や地上に設置されたカメラ等により
飛行経路全体の航空機の状況が常に確認できるようにすること。
⑥第三者に危害を加えないことを製造事業者等が証明した機能を有すること。
ただし立入管理区画(第三者の立入りを制限する区画)を設定し、
第三者が立ち入らないための対策を行う場合、
または機体や地上に設置されたカメラ等により進行方向直下及び
その周辺への第三者の立入りの有無を常に監視できる場合は除きます。
⑦地上において機体の針路、姿勢、高度、速度及び
周辺の気象状況等を把握すること。
⑧地上において、計画上の飛行経路と
飛行中の機体の位置の差を把握すること。
⑨想定される運用に基づき、十分な飛行実績を有する機体を使用すること。
この実績は、機体の初期故障期間を超えていること。

目視外飛行においてリスク軽減を図るための対策と提案を行い、
それを踏まえた運航計画を立案する必要があります。

〈補助者を配置する場合〉
●操縦者は目視外飛行の訓練を終了した者に限定
●飛行経路及び周囲の障害物を事前に確認し、適切な飛行経路を選定
●飛行経路全体が見渡せる位置に飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を
常に監視できる補助者を配置
●飛行前に飛行経路下に第三者が存在しないことを確認
●補助者にも機体の特性を理解させておくこと
●操縦者と補助者は常に連絡を取れるようにして、
操縦者へ必要な助言ができるようにすること

〈補助者を配置しない場合〉以下を追加します
●操縦者は補助者なし目視外飛行の教育訓練を終了した者に限定
●飛行範囲の外周から落下距離の範囲内を立入管理区画とし、
飛行経路には第三者が存在する可能性が低い場所(山、海水域、河川、
湖沼、森林、農用地、ゴルフ場またはこれらに類するもの)を選定
●有人機の運航を妨げない飛行範囲を設定し、
空港等における進入表面等の上空の空域、
航空機の離着陸の安全を確保するために必要なものとして
国土交通大臣が告示で定める空域、
地表もしくは水面から150m以上の高さの空域の飛行は行わないこと
※一時的に地表から150mを超える飛行を行う場合は山間部の谷間など、
航空機との衝突におそれができる限り低い空域を選定すること
●飛行中に不測の事態(機体の異常、飛行経路周辺への第三者の立入り、
航空機の接近、運用限界を超える気象等)が発生した場合に、
適切な場所に安全に着陸させる等の緊急時の対策手順と
緊急着陸地点を飛行前にあらかじめ設定
●立入管理区画を設定した場合、第三者が立ち入らないための方策
(立看板等の設置、インターネットやポスター等により、
上空を無人航空機が飛行することを第三者へ周知)
●立入管理区画に、道路、鉄道、家屋等の第三者が存在する可能性を
排除できない場所が含まれる場合には、
追加の第三者の立入りを制限する方法を講じること

 

 


出典:国土交通省ホームページ(https://www.mlit.go.jp/common/001602108.pdf)

約一年半ほど前から、
無人航空機の飛行の安全に関する教則
を使って
ちまちま勉強してきましたが、今回で一旦終了です。
実際、読んでいてもわからないことだらけなんですが
ひと通り目を通すことで、無人航空機を知る
よいきっかけになりました。
馴染みのない言葉に苦労しましたが、
九州空撮隊で使用しているドローンも
無人航空機の何種類かある1つであるということ、
風速や天候など、飛行に影響を及ぼす
気象についても興味を持ちました。
ただ、理解したとは言い難いのでこれからも勉強です。
少しずつ復習しながら知識を蓄えていこうと思います。

まだまだ、勉強!勉強!

素人ハヤシは、このように
少しずつですが、頑張っております。
ではまた!次回のブログで

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九州空撮隊は、九州の空をフィールドに、
ドローンを使用した空撮専門のクリエイティブ集団です。
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撮影・編集を担当するので、
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