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教則でお勉強 その17「運航上のリスク管理②」

ドローンの素人「ハヤシ」は
これって何よ?って思ってることを
少しずつクリアにしていきたいと
常々思っています。

安全な運航のためには
リスクを軽減するために計画を立てることが
大切になってきます。
今日は、飛行計画の立案にあたり重要な
「気象」についての勉強です。

 

さあ、勉強!勉強!

 

気象の基礎知識及び気象情報を基にした
リスク評価及び運航の計画の立案

 

無人航空機における気象の重要性

無人航空機を安全に飛行させるための重要な要素の一つが気象です。航空法では「当該無人航空機及びその周囲の状況を目視により常時監視して飛行させること。」とされています。これは目視可能な距離外での無人航空機の飛行を禁止するだけではなく、近距離であっても無人航空機の飛行状況や他の物件との安全な距離が確保されていることを目視で確認できない雲中や濃霧等の気象状況では無人航空機を飛行させてはならないということです。
安全な飛行を実施するためには、一般的な天気予報だけではなく、どのような気象情報や予報が提供されているかを理解する必要があります。そして、作業内容、時間、環境に応じて、雲や視程障害、風向・風速、降水など、飛行に影響する気象情報を適切に入手・分析して、離陸から着陸に至るまで支障のある気象状況にならないことを確認後、ようやく飛行を開始することができます。

安全な飛行を行うために確認すべき気象の情報源

●アメダス
●気象レーダー
●実況天気図、予報天気図、悪天解析図
以上が参考になる気象情報として挙げられます。また、インターネットを活用した気象情報の入手も有効です。

天気図の見方

天気図には各地で観測した天気、気象、気温、風向、風力や高気圧、低気圧、前線の位置及び等圧線などが書かれており、実況天気図、予想天気図から気圧配置、前線の位置、移動速度などを確認します。等圧線の間隔が狭いほど風が強まるため、等圧線の間隔から風の強弱を知ることができます。

①天気記号
快晴・晴・曇・雨・雪・霧などを表す記号です。

②風
天気記号に付いた矢の向きが風向を表します。風が吹く方向に矢が突き出しており、観測では16または36方位を用いていますが、予報では8方位で表しています。矢羽根の数が0~12までの13段階あり、風力(気象庁風力)を表しています。

③気温
天気記号の左上の数字で、摂氏の度数で表しています。

④気圧
大気の圧力をいい、単位はヘクトパスカル(hPa)で、標準大気圧(1気圧)は、1013hPaです。

⑤等圧線
気圧の等しい点を結んだ線をいいます。

⑥高気圧
周囲よりも相対的に気圧が高いところを高圧部といい、その中で閉じた等圧線で囲まれたところを高気圧といいます。北半球では時計回り、等圧線と約30度の角度で中心から外へ向かって風を吹き出しています。高気圧の中心部では下降気流が発生し、一般的にいい天気となります。

⑦低気圧
周囲よりも相対的に気圧が低いところを低圧部といい、その中で閉じた等圧線で囲まれたところを低気圧といいます。北半球では反時計回り、低気圧の中心に向かって周囲から風が吹き込みます。中心部では上昇気流が起こり雲が発生、一般的に天気は悪くなります。

⑧冬の天気
冬の悪い天気の代表が「雪」と「風」です。シベリア高気圧が優勢になり、冬の季節風の吹き出しが始まると、雲写真(気象衛星)に沿海州から日本海へ流れる帯状の雲が現れます。冬型の天気の典型は西高東低といわれるもので天気図では西側に高気圧、東側に低気圧という気圧配置で、日本海側に雪をもたらします。

⑨春と秋の天気
日本の天気を支配するのは、冬のシベリア高気圧と夏の太平洋高気圧であり、春と秋は料高気圧の勢力が入れ替わる時です。この時に日本付近いに両気団の境界ができ前線が停滞、広い範囲で1週間くらい雨が降り続くなど天気は悪く、低い雲高や視程障害をもたらします。

⑩前線
温度や湿度の異なる気団(空気の塊)が出会った場合、二つの気団はすぐに混ざらないで境界ができます。境界が地表と接するところを前線といいます。
●寒冷前線
発達した積乱雲により、突風や雷を伴い短時間で断続的に強い雨が降ります。前線が近づくと南から南東よりの風が通過後に風向きが急変、西から北西よりの風に変わり気温が下がります。
●温暖前線
層状の厚い雲が段々と広がり近づくと気温、温度は次第に高くなり、雷を伴う場合もありますが、弱い雨が絶え間なく降ります。通過後は北東の風が南よりに変わります。
●閉塞前線
寒冷前線が温暖前線に追いついた前線で、閉塞が進むと次第に低気圧の勢力が弱くなります。
●停滞前線
気団同士の勢力が変わらないため、ほぼ同じ位置に留まっている前線で長雨をもたらします。梅雨前線や秋雨前線がこれにあたります。
●梅雨前線
四季の変わり目に出現する長雨(菜種梅雨、梅雨、秋霖など)のうち、とくに顕著な長雨・大雨をもたらす停滞前線のことをいいます。

 

安全な飛行のために知っておくべき気象現象

「雲と降水」
雲には10種類の雲の形があり、「10種雲形」と呼ばれます。上層雲として竜巻・巻層雲・巻積雲、中層雲として高層雲・乱層雲・高積雲が、低層雲と下層から発達する雲として積雲・積乱雲・層積雲・層雲があります。このうち層雲系の雲では連続的な降水が、積雲系であれば断続的で驟雨性の降水(にわか雨)を伴う傾向にあります。

「風」
①風と気圧
風とは空気の水平方向の流れをいい、風向と風速で表します。空気は気圧の高い方から低い方へ向かいますが、この流れが風で、等圧線の間隔が狭いほど強く吹きます。

②風向
風向は、風が吹いてくる方向で、例えば、北の風とは北から南に向かって吹く風をいいます。風向は360度を16等分し、北から時計回りに、北→北北東→北東→東北東→東と表します。

③風速
風速は空気の動く速さで、メートル毎秒(m/s)で表します。風は必ずしも一定の強さで吹いているわけではなく、単に風速といえば、観測時の前10分間における平均風速のことをいいます。また、平均風速の最大値を最大風速、瞬間風速の最大値を最大瞬間風速といいます。風は地面の摩擦を受けるため、一般的に上空では強く地表に近づくにつれて弱くなります。変化の度合いは地表の粗度(樹木や建物などによる凹凸の程度)や風速の大きさによって異なります。一般に地表の粗度が大きいほど高さによる風速の変化は大きくなります。

④突風
低気圧が接近すると、寒冷前線付近の上昇気流によって発達した積乱雲は、強い雨や雷とともに突風を発生させることがあります。日本付近では、天気は西から東に変わるため、西から寒冷前線を伴う低気圧が接近するときは、突風が発生する時間帯を予測することができます。

⑤海陸風
気温差があると気圧差が生じて風が吹きます。海陸風は海と陸との気温差によって生じる局地的な風で、日本では、日差しの強い夏の沿岸部で顕著に見られます。地表付近において、日中は暖まりやすい陸上に向かって風が吹き、夜間は、冷めにくい海上に向かって風が吹きます。風が入れ替わるときには、「朝凪」「夕凪」とよばれ、ほぼ無風状態となります。

⑥山谷風
山岳地帯に現れる風の一種。昼間は、暖められた空気が谷を這い上がる谷風が吹き、夜間は冷えた空気が山から降りる山風が吹きます。

⑦ビル風
高層ビルや容積の大きい建物などが数多く近接している場所やその周辺に発生する風。強さや建物周辺に流れる風の特徴により、剥離流、吹き降ろし、逆流、谷間風、開口部風、街路風、渦流域に分類されます。ビル風は周辺の風より風速が速く継続して吹いていて、その建物群の配置や構成によって吹く風の種類が異なります。

⑧風力
風力は、気象庁風力階級表(ビューフォート風力階級)により、風力0から風力12までに13段階で表しています。

⑨ダウンバースト
ダウンバーストとは、積乱雲や積雲内に発生する強烈な下降流が地表にぶつかり、水平方向にドーナツ状に渦を巻きながら四方に広がっていく状態。その大きさは数百メートルから10キロメートルにもおよびます。その中でマイクロバーストと呼ばれるものは、直径が4キロメートル程度以下の下降流で、範囲は小さいが下降流はダウンバーストよりも強烈なものがあります。発生時間は10分程度のものが多く、通常の観測網では探知されない局地的なものです。

気象に関する注意事項

無人航空機は、運用可能な動作環境が具体的に明示されています。運用可能な範囲内であっても、低温時や高温時には大きな影響を受けることが予想されます。特に気温が低い場合はバッテリーの持続時間(飛行可能時間)が普段より短くなる可能性があるため注意が必要です。また、地表面が暖められると上昇気流が発生するため、広い面積の太陽光パネルやアスファルト・コンクリートの地面が多い市街地は注意が必要です。広い運動場のような場所では、強い日射により上昇気流がおこり、つむじ風が発生する可能性があります。

安全のための気象状況の確認及び飛行実施の判断

安全のため気象条件を考慮した判断をする場合、降雨時、降雪時、霧の発生時や雷鳴が聞こえる時は飛行の延期や中止が望ましいです。

 

【今回の学び】
雨が降っていたり、強風の時は、
飛行できませんが、
濃霧で視認できない場合や
急な気象の変化なども注意が必要です。
気象情報を入手・分析して、
慎重な運航計画を!

 

素人ハヤシは、このように
少しずつですが、頑張っております。
ではまた!次回の学び報告で。

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