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ドローン飛行時の高さ制限について

みなさんお疲れ様です。
最近暑すぎて溶けてしまいそうです。

正直、この時期のロケは日差しが強すぎて
すぐにバテてしまうので正直苦手です・・・

そんなロケでよく「ドローンが飛べる高さ」について聞かれることがあります。
ロケ現場にいらっしゃるスタッフの方は、「150m未満」という言葉はご存知の場合が多いですが、
それ以外の数字に関しては詳しくわからない・・・ということが多々あります。

ということで、
今回はドローンが飛べる高さのうち、
「空港」に関わる部分をできるだけ簡単に解説します。

まず、こちらの図をご覧ください。

<大阪航空局 空港周辺における建物等設置の制限(制限表面) より引用>

この図のエリアより高い場所を飛ばすことはできません。

と、言われても何のことかさっぱりわからないと思います。
ですので、この図をもっとわかりやすく説明した図がこちらになります。
航空法による制限表面のイメージ
<奈良県 奈良県ヘリポート周辺における高さ制限のお知らせとお願い より引用>

この図ではヘリポートとなっておりますが、
空港もヘリポートも同じものだと思ってください。

この図に記載があるように、
一定の高さを超える物件等を設置することができない範囲を
制限表面を超えた空域=無障害物空域といいます。
ドローンなどの無人航空機に関しても物件と同じように、
無障害物空域に侵入することはできません。

1つ目の図をよく見てみると
滑走路を中心にすり鉢状に制限表面が設定されています。
すり鉢状になっている理由に勘付いている方もいらっしゃるかと思いますが、
これは飛行機が空港に着陸、空港から離陸する際に
航空機が飛行する高度に合わせて設定してあります。
空港から離れれば離れるほど航空機の高度は上がりますので、
すり鉢状になっています。
逆を言えば、このすり鉢の範囲を超えてドローンの飛行や
マンションなどの高層物の設置をしてしまうと
航空機に衝突してしまうリスクもあるため、
あらかじめ場所によって高さを制限しています。

さて、制限表面のことを理解していただいたという体で
実際の高さ制限がどんなものかを見ていただきましょう。

熊本県で飛行を行う場合は、
熊本空港の制限高を把握した上で飛行を行わなければなりません。

そこで使用するのが、
・地理院地図 (リンク)
・熊本空港 高さ制限回答システム (リンク)
の二つになります。

今回は、「道の駅 大津」でドローンを飛行させるという設定で
高さ制限を調べてみたいと思います。

1.飛行させたいポイントの高さ制限を「熊本空港 高さ制限回答システム」で検索

今回は、例として建物入り口階段前でクリックをして(ピンを置いて)高さ制限を調べます。

クリックをすることでそのポイントの住所や制限表面の種類、制限高を確認することができます。
この中の「制限高(標高):約275m」という数字を記録してください。

2.飛行させたいポイントの標高を調べる

地理院地図など、ポイントの標高を調べることができるサービスで
飛行したいポイントの標高を調べます。
地理院地図の場合、画面中央の黒十字のポインターを飛行させたいポイントに合わせます。

そうすると、画面左下に
「標高:156.0m」という表示が現れます。
この数字も記録してください。

3.地表からの高さ制限を計算する

先の2つの工程で調査した数字を振り返ってみます。

1.高さ制限回答システム 制限高(標高):約275m
2.地理院地図 標高:156.0m

1.で調査した制限高は、標高○○○m までであれば
ドローンの飛行や高層物の建築を行っても良いという数字になります。
言い方を変えると、
マンション(高層物)の一番高いポイントの標高やドローンの最高飛行標高がこの数字を超えなければ問題がないと言えます。

ここで、よく勘違いされるのが
地面から○mではなく、
一番高いポイントが標高(海抜)○○○m未満にならなければならないということです。

そのため、2.の工程でそのポイントの標高を調べています。
今回の場合は、標高は156mでした。
そして、制限高は275mです。

地表はすでに標高156mありますので
その場所でドローンを飛行させる場合は、
制限高275m ー 標高156m = 地表からの高度(対地高度)119m となり

その場所からドローンを飛行させる場合
地表から119m未満の高さであれば問題なく飛行が可能となります
(上昇のみを行った場合。前後左右に移動させた場合はその場所ごとに制限高は変動します)

と、何ともめんどくさい調査ですが
熊本空港の高さ制限を調査する際に
ものすごく役に立つサイトがあります。

ドローン飛行確認マップ:熊本空港 (リンク)

このサイトを誰がどんな目的で制作したのか
いまだに不明なのですが、このサイトでは先ほどのめんどくさい調査が簡単にできます。

操作は簡単です。
飛ばしたいポイントをクリックするだけ。

吹き出し内の最下段に記載している
「飛行可能な対地高度 118m未満」
と先ほど調べた119m未満と若干の誤差はありますが、
クリックするだけで飛ばせる高度がわかる優れものです。

万が一この対地高度を超えてドローンを飛行させたい場合は、
個別に国交省への申請が必要となりますのでご注意ください。

こんなところで、
空港に関わるドローンが飛行できる高さについて
少し難しい内容となっていまいましたが
理解していただけたかと思います。

どうしても対地高度を超えて撮影がしたい!
という場合でも九州空撮隊にご相談いただければ
申請のお手伝いやアドバイスなども行う事ができますので
ぜひお問合せください!!

段村 征宏

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九州空撮隊は、九州の空をフィールドに、
ドローンを使用した空撮専門のクリエイティブ集団です。
広告制作の現場で経験を積んできたスタッフが、
撮影・編集を担当するので、
動画・スチール写真の使用目的の意図をくみ取り、
企画の内容をしっかりと把握した上、
さまざまなアウトプットに対応できる空撮を、
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