皆様お疲れ様です。
連日の猛暑日で溶けてしまいそうです。
さて、最近ドローン界隈を賑わせたホットなニュースがありましたね。
JRによると、7月27日午後2時50分ごろ、磐越西線の猪苗代駅と川桁駅間で郡山方面から会津若松方面に走行中の2両編成の列車とドローンが衝突した。
現場は辺り一面広がる水田付近の線路で、この事故で列車は緊急停止し、その後、点検を行った所列車に損傷はなく、乗客にケガ人もなく安全が確認されたことから約20分後に運転を再開した。
引用元:福島テレビHP (https://www.fukushima-tv.co.jp/localnews/2023/07/2023072700000012.html)
このニュース、社内でも少し話題になりました。
ドローンが列車に衝突という時点で、
ドローンを扱わない方からしても危険な事故だと感じるかと思いますが、
では一体、何がいけなかったのか?
という部分をドローンを扱う身として考えてみたいと思います。
1.飛行場所
今回、衝突事故が起きた場所の周辺地図がこちらです。
今回、事故が発生した場所はあえて特定しませんが、
田園が広がるのどかな場所です。
ですが、ドローンを飛行する上では気を付ける箇所が複数あります。
まずは、今回の事故が起きた場所である線路があります。
田園が広がる景色を撮影するにはぴったりのスポットではありますが、
線路ギリギリまで田園が広がってます。
航空法を読んでみると、「地上または水上の人又は物件から30mを保って飛行する」という内容があります。
この場所と法律の内容を照らし合わせてみると、
線路は地上の物件に当たりますので、
原則として、線路から30m以上離れて飛行するべき場所です。
併せて、磐越自動車道もすぐ近くにありますので、
特に線路と自動車道の間を飛行するのは大変危険な飛行と思えます。
(上記の内容でも各所の許可があれば飛行可能です)
2.列車の衝突の事実について
航空法では以下のような記述があります。
第百三十二条の九十 次に掲げる無人航空機に関する事故が発生した場合には、当該無人航空機を飛行させる者は、直ちに当該無人航空機の飛行を中止し、負傷者を救護することその他の危険を防止するために必要な措置を講じなければならない。
一 無人航空機による人の死傷又は物件の損壊二 航空機との衝突又は接触三 その他国土交通省令で定める無人航空機に関する事故2 前項各号に掲げる事故が発生した場合には、当該無人航空機を飛行させる者は、当該事故が発生した日時及び場所その他国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に報告しなければならない。
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)
今回、列車との衝突ということで、
「一 無人航空機による人の死傷又は物件の損壊」に
該当しそうなところではありますが、
報道によれば、列車に損傷はなかったとのことでしたので、
国土交通大臣への報告の義務はないと思われます。
が・・・
一般のお客さんが乗車している列車に
ドローンが衝突という、乗客の命に直接関わりかねない今回の事故。
今一度、事の重大さを感じます。
3.目視外飛行・補助者について
さて、今回の事故、
近づいてくる列車に気づかなかったのでしょうか?
もはや、ドローンを飛ばす際の常識ですので、
航空法を引用してまで説明しませんが、
飛ばしているドローンを目視、
もしくは補助者を配置していれば
今回のようなことは起きなかったかと思います。
ドローンが個人でも飛ばしやすくなった現在、
法律やルールなどをきちんと理解せずに飛ばしている方が増えていると聞きます。
コロナも落ち着き、花火大会やお祭りなども増えています。
ですが、このようなイベントでドローンを飛ばす行為は大変危険な行為です。
きっとこのブログを見ている方は安全にドローンを飛行させている方だと思います。
引き続き、安全なドローンの運用・飛行をお願いします。
今回の事故は私たちの安全意識を改めて考え直す機会となりました。
これからも安全な飛行を心がけていきますので、
引き続き九州空撮隊をよろしくお願いします。
段村 征宏